46歳からコーストFIREを目指すブログ

コーストFIREを目指ながら実現したり、考えたりしたことなどを綴りつつ「ゆかいに」はたらくことを模索していくブログ

システムエンジニアは向き不向きが大きい仕事

 

かれこれシステムエンジアを20年以上勤めており、専業システム会社も、事業会社の社内SEも経験済みであります。どちらかと言えば発注者よりの仕事が多め。世間的には上流工程というと聞こえが良いですが、IT総務といえば分かりやすいでしょうか。

 

最近「SEになりたんだけど、どう思う?給料いいし、興味あるし」なんて聞かれることもある。また、将来はコンサルティングやりたいとか、上流工程やりたいとか言う人もいるので、それらに回答したことをまとめて書く。

 

結論からいうと、この仕事は「向き不向きが大きい仕事」というのが自分なりの答え。

コンサルだのPoCだのアジャイルだの横文字のカッコいい雰囲気とは裏腹に、超絶めんどくさい&泥臭い仕事だと理解していないと嫌になるのではないかと。

 

なんでそんな風に思うのか?

それは、個人の知識や技量(センスともいう)が残酷なまでに成果に反映されやすい仕事だと思うから。

もちろんデザイナーやクリエイターのような職種に求められるゼロからイチをつくるようなセンスではないけど、ビジネスとしてやることの方向性を理解し、システム構成やUI、障害の考慮、アクセスコントロールやセキュリティ、開発言語やフレームワーク、開発環境の整備などの多種多様な組み合わせから、自分たちに一番マッチした(会社の規模、委託先の体制、社員の技術レベル、過去の資産、社内文化、お金、役員のシステムに対する意欲、現場の理解度)ものを選ぶのって、相当難しいこと。

 

環境の選択だけでも難しいのに、いざ作るとなったら体制どうすんだとか、誰がプロマネやるんだとか、ROIはどうなってんだとか、パートナーどうやって選ぶんだとか、稟議書、発注、工数管理、プロジェクト管理方法、などなど決め事たくさん。

プロジェクトから逃げようとするやつもたくさん。

しかも、お金もたくさん使うので、チェックの目も厳しい。

 

晴れてシステムが完成した暁には、監査がやってきてバカスカ指摘され、なんで考慮してなかったんだとか、どう考えていたんだとか詰められることもしばし。

わかってたけど無理だって!と叫びたくなることもしばし。

 

ところが、センスのあるエンジニアって、この難しい状況を、みんながそれなりに納得する方向で着地させていく。頭の良し悪しだけでなく、胆力とか、論理性とか、体の丈夫さとか、知識とかをフルに動員して「なんとかする」わけです。

私なんかはプロジェクトが煮詰まったり破茶滅茶な状況になると、呆然と立ち尽くしながら「あ、自分はこの仕事向いてないのかも」なんて思うのですよ。

 

というわけで、システムエンジニアの仕事って、単なる開発だけでなく、プロジェクトのマネジメントや、システム企画・開発、運用に至るまで、センスがある人とない人で残酷なほど力の差が明らかになる仕事だと実感しております。

あまりうまくやれない人だと、ダメな人扱いされて劣等感でやられたり、業務過多で潰れたりと心を病むのです。

 

「上流工程がやりたくて事業会社に転職してきました!」という人の中には、上記の状況に速攻で心を病んだり、やる気を失ったりする人は多いかも。

上流工程といわれるシステム企画って、人間関係や組織同士の利害関係調整とか、稟議書いたり発注したり、面倒な事務仕事も多いし、会議の調整も多いし、システムの仕様に文句言われることもある泥臭い仕事なんですよ、実際。

 

心を病むほどでなくとも重要かつ大型プロジェクトに参画すれば、自己研鑽のためプライベートの時間を使うこともある。スーパーSEと一緒に仕事すると知識がついていかなくて会話にならないから、勉強しないとどうにもなりません。

ぶっちゃけ、他にもっと楽な仕事があると思う。

 

ちなみに私は、コンピューターが少しだけ人より得意で、ストレス耐性がすこしあり、曖昧力が高め(物事がきまっていない状態の方を好む特性らしい)な性格のおかげか、なんとかやっていけてます。もう嫌だと心の中でたまに叫んでるけど。

 

結論

システムエンジニアになるのはいい。

ただし向いていないとキツいし他の仕事のほうが楽だぞ。

知らんけど。